高校生日記

VIPルームのいじめられっ子

高校時代に不思議な友人がいた。A君である。そんな彼にはクラスでたった一人しか友人がいなかった。それは私である。彼にはある悪癖があり、それは授業時間が終わるたびにトイレで大便をするのである。普通はそんなに出ないであろうと思うのであるが、彼は毎...
高校生日記

運河の運の無い猫

バス便の無い駅から3キロばかり離れた最果ての高校に通っていた。通学路に家はなく、茫漠たる荒れ地が広がる無味乾燥の砂漠のような場所である。夏になると40度近い熱風が吹き、その風で髪が自然にセットされた。一番ひどいのは春の嵐で、30メートル以上...
高校生日記

某カルト教団の会合

まだ高校生2年生くらいの頃である。たまたま出会った女子高生から、夕方家に来ないかとお誘いがあった。別にいやらしい下心があったわけではないが、行ってみることにした。呼び鈴を押すと玄関からその女子高生が出てきたが、すぐ後ろから父親も出てきて、私...
高校生日記

少女A

私の高校時代はまるで楽園のような楽しい日々であった。登校拒否するような人間の精神が全く理解できない学校大好き少年の生活はあまりにも充実していた。しかし勉強自体はあまり好きではないので、バラ色の将来という希望が持てない先の見えない日々ではある...
行政書士事件簿

沈没船ファンド詐欺事件

恐怖と喜びは表裏一体とも言われる。怖い物見たさという言葉もあるが、わざわざお金を払ってまでオバケ屋敷に行くのも恐怖を味わうことで底知れぬ幸福感を味わうための本能的な行為なのであろう。 毎回危ない話しを持ち込んでくるファンドマネジャーのA氏か...
旅行雑記

全裸白塗痴漢男事件

別府に白い泥で出来た温泉があるという。調べてみるとかなり山の中で、荒れ地に池のような白泥温泉が点在し、客は体全体を白くしながら温泉に浸かるらしい。興味を抱いた私は北九州空港まで飛行機で飛び、朽網(くさみ)という変わった名の駅から日豊本線で別...
職業放浪記

公団住宅連続不審死事件

まだ建設関係の仕事をしていた時分であるが、いつもの集合場所にバイクで乗り付けると親方が難しそうな顔で発注書を睨んでいた。「どうかしたのですか?。」聞くと「病死の部屋の工事が入った。状態はかなりひどいらしい。」詳しく聞くとどうも定期管理でいつ...
行政書士事件簿

駒込ビル中国人不法占拠事件

秋風が吹き、黄色い銀杏の葉がパラパラと落ちる頃、トランクルーム設置の件でお世話になったA社長から物件の調査を依頼された。A社長はJR山手線駒込の駅から歩いて行ける場所にテナントビルを保有している。数年前までは中国人が経営する日本語学校に貸し...
行政書士事件簿

スナックカラオケマシン破壊事件

事務所スタッフが深刻な顔をしている。どうしたのか聞くと「私の知人(Aさん)がスナックを経営しているのですが、賃貸借契約で大家さんともめているのです。」スナックの経営はことのほか順調なようで、固定客も付いているようだ。ただ大家との問題で、もし...
行政書士事件簿

空き家所有権争奪事件

不動産ブローカーのA氏がまた変な仕事を持ち込んできた。大体においてA氏経由で来る仕事にろくなものは無い。気が進まないが乗りかかった船には乗らずに居られない損な性分が今回も災いしているようだ。 物件は会社から徒歩10分ほどにある戸建て住宅で、...