高校生日記

高校生日記

白い軍服

高校を卒業して1年も経つとすっかり自分は大人だと思い込み、タバコを吸ったり酒を飲んだりする輩がいる。実のところ年齢的にはまだ19才だから少年なのである。それでもこの年齢の少年達は高校も卒業したし、就職して自分は社会人として十分自活していると...
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卒業式の後の野鳥観察小屋

高校時代自然科学クラブに属していたせいか野鳥に興味があった。ちょうど上手い具合に校舎の裏に野鳥観察小屋があり、時々顔を見せていた。行く度に様々な野鳥が観察され、双眼鏡を通じて見える鳥の生態に胸をときめかせていた。最もそんな高校生はまれらしく...
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通学路の野犬たち

駅から離れた高校なら普通バス便くらいはあるものだ。しかし私が合格した高校は新設校ゆえにバス便がまだなかった。しかたなく私は一番近い駅からおよそ3キロの道のりを毎日歩く羽目になった。そこは埋め立て地にアスファルトの道路を敷いただけの貧相な場所...
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VIPルームのいじめられっ子

高校時代に不思議な友人がいた。A君である。そんな彼にはクラスでたった一人しか友人がいなかった。それは私である。彼にはある悪癖があり、それは授業時間が終わるたびにトイレで大便をするのである。普通はそんなに出ないであろうと思うのであるが、彼は毎...
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運河の運の無い猫

バス便の無い駅から3キロばかり離れた最果ての高校に通っていた。通学路に家はなく、茫漠たる荒れ地が広がる無味乾燥の砂漠のような場所である。夏になると40度近い熱風が吹き、その風で髪が自然にセットされた。一番ひどいのは春の嵐で、30メートル以上...
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某カルト教団の会合

まだ高校生2年生くらいの頃である。たまたま出会った女子高生から、夕方家に来ないかとお誘いがあった。別にいやらしい下心があったわけではないが、行ってみることにした。呼び鈴を押すと玄関からその女子高生が出てきたが、すぐ後ろから父親も出てきて、私...
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少女A

私の高校時代はまるで楽園のような楽しい日々であった。登校拒否するような人間の精神が全く理解できない学校大好き少年の生活はあまりにも充実していた。しかし勉強自体はあまり好きではないので、バラ色の将来という希望が持てない先の見えない日々ではある...